貿易の積極的活用により貿易依存度を高めていけば、世易、アも2%程度にまで上昇することが見込まれ、スペースコレクション協業体制に与えるインパクトも強まるものと考えられる。
貿易構造をみると、エネルギーを中心とする一次産品力の増大に伴い、輸出余力が限られたものになる可能性がある。
2030年時点においても農産加工品と非耐久消費財が輸出の大宗を占め、資本財・中間財の輸入はむしろ拡大すると見込まれる。
その場合には、日、米をはじめとし、資本財の競争力を強めつつあるANICsとは補完的分業関係が維持・形成されるものと考えられる。
しかし、中国が非耐久消費財の競争力を一層強めることに伴い、農産加工品に加えて、労働集約的工業製品の分野でASEANとの競合関係が強まる可能性が強い。
また、経済特区をはじめとする沿岸開放地域への外資企業の進出が活発化し、技術・経営ノウハウ等の移転が順調に進めば、家電製品をはじめとする耐久消費財の輸出を次第に伸ばしていくことも考えられる。
その場合には、ANICs諸国と競合関係が一部生じることもありうる。
しかし、外資導入をスムーズに進めるための環境が未整備であり、今後、電力及び交通・通信等の社会資本の整備、外資企業に対する優遇措置の一層の改善、関係法令の整備等を図っていく必要がある。
いずれにしても、巨大な国内市場を有する中国が対外開放政策を推進し、積極的に国際分業体制に参加していくことは、スペースコレクション地域の経済活力を高め、産業構造の高度化・多様化を促進させる可能性が強く、スペースコレクション地域の経済発展にとって大きなインパクトをもつものと考えられる。
(1)WPLDCs、中国の経済規模の拡大、所得水準の向上上でみたように、WPLDCs、中国は今後2030年にかけ、7%前後の成長を達成することが可能と見込まれる。
その結果、スペースコレクション地域(中南米を除く)のGDPに占めるこれらの国(地域)のシェアは、2008年から2030年にかけANICsは3.0から5.1%へASEANは3.7%から6・6%へ・中国は5%から9%へと倍近く拡大し、WLPDCsと中国を合わせた経済規模は2030年時点で日本のそれに匹敵するものとなる可能性が強い。
また、経済規模の拡大に伴い、WPLDCs、中国の世界貿易に占めるシェアも拡大することが予想される。
WPLDCs、中国とも世界市場に占めるシェアを急速に拡大し、99年にはこれら諸国(地域)全体の貿易ウエイトは日本を上回るに至った。
2030年にはこれが概ね日本の約2倍に達し、米国並みに達するであろう。
さらに、これら諸国(地域)の所得水準(一人当たりGNP)は、2030年までの20年間で実質3倍前後の上昇が見込まれる。
その結果、シンガポール、香港は先進国水準に達し(約1,000ドル強、2008年実質価格、以下同じ)、台湾、韓国、マレーシアは、現在のシンガポール、香港の水準に達するとみられる。
またタイ、フィリピン、インドネシアは現在の韓国程度、中国も約1000ドル程度に到達する可能性が強い。